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取締役の解任について 

取締役は、何時でも事由のいかんを問わず、株主総会の決議により解任することができます(会社法339条1項)。取締役を解任する際には何らかの理由があるのが通常でしょうが、株主総会で解任理由を示す必要はありません。

 

他方で、解任された取締役からすれば、一方的に解任されてしまうことは地位の安定及び任期に対する期待が損なわれることになります。

取締役を任期満了前に解任した場合には、原則として、会社は取締役に対して解任によって生じた損害を賠償しなければなりません(同条2項)。

具体的には、当該取締役が在任中に得られたであろう報酬及び賞与、任期満了時に得られたであろう退職慰労金を損害として賠償することになります。仮に、定款で取締役の任期を10年に延長した会社では、残存任期に対応した多額の報酬・賞与相当分の損害賠償義務を負うことになります。

なお、不当解任による精神的苦痛に対する慰謝料請求権は認められていません(東京地判昭和57年12月23日)。

 

中小企業においては、時には、上記損害賠償請求のリスクを負ってでも取締役を解任せざるを得ないケースが生じますが、正当な理由があれば、損害賠償義務は免れます(同条2項)。

裁判例では、持病の悪化により治療に専念する取締役の解任(最高裁昭和57年1月12日)、業者と癒着をしてリベートを要求し、自己または第三者の利益を図った取締役の解任(東京地判平成8年8月1日)につき正当事由が肯定されています。

他方で、代表取締役の高圧的な態度の改善を求めたところ、会社の乗っ取りを企てたと曲解され解任された事案(東京地判昭和57年12月23日)については正当事由が否定されています。

 

会社側としては、該当する取締役の業務執行に法令・定款違反がないか、心身の故障のため業務遂行に支障はないか、経営能力が著しく欠如するような事情がないか等の事情について検討し、その証拠に残す必要があります。

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