調布の弁護士による企業法務のご相談[調布くすのき法律事務所]

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セクハラ事案への適切な懲戒権行使のために

自社でセクハラ行為の申告があった場合にも、厚生労働大臣の10の指針に沿った適切な対応が必要となります。
その中でも

  • ① 事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
  • ② 事実確認ができた場合には、速やかに被害者に対する配慮の措置を適正に行うこと。
  • ③ 事実確認ができた場合には、行為者に対する措置を適正に行うこと。
  • ④ 再発防止に向けた措置を講ずること。(事実が確認できなかった場合も同様)

が重要です。

① 事実関係を迅速かつ正確に確認すること

事実関係の確認にあたっては、中立的な調査を実現することが不可欠です。しかし、セクハラ行為が密室で行われ、当事者の供述しか証拠がなく、しかもその供述が対立する場合には、調査には困難が伴います。事案によっては、当事者間で過去に恋愛関係があったものもあり、調査が難航することもあります。

では、具体的にはどのようなことに注意をして調査をすればよいのでしょうか。

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事業主が事実確認にあたっては、事業主自身は、セクハラの有無について疑いなく証明する必要はなく、適切な調査を尽くし、適切な事実認定の手法に則してセクハラの有無を判断すれば足ります。すなわち、調査委員会等に適切な人員を配置し、適切かつ十分な調査を行い、経験則・常識に従い判断すべきなのです。適切な人員配置にあたっては、メンバーに弁護士を入れるなどの方法も検討すべきです。

調査にあたっては、被害申告者への事情聴取が欠かせませんが、セクハラ行為の日時や発言内容が不明確なままされた加害者の処分が無効とされた裁判例もあり、具体的な言動を正確に把握しなければなりません。

加害者へ十分に弁明の機会を与えることも必要です。加害者が認めた場合は、一般的には不利益な事実の申告であり信用性があるといえるでしょう。

問題は、加害者が否定した場合です。この場合には、第三者の供述を含む証拠による裏付けの有無を確認する必要があります。被害申告者が加害者を陥れている可能性も当然あるわけですから、被害者が作成した証拠等の評価は慎重に行うべきです。
決定的な証拠がない場合には、両当事者のそれまでの関係、具体的な言動、行為が行われた場所、被害申告者の対応等の要素について両当事者の供述を比較し、供述内容の具体性・合理性、不自然な変遷がないかで判断すべきです。事後の検証をするためにも、供述者に事前に告知した上で供述は録音しておいたほうが良いでしょう。

供述が対立する場合でも、争いのない点については一部が一致することがあります。これを前提にどちらの供述が自然かを判断することになるのでしょう。調査の難航が予想される事案については、早期の段階で弁護士を活用すべきでしょう。
 
調査の結果、セクハラの事実の存在が不明である場合は、事業主はセクハラが無いものとして対応することになります。

② 被害申告者への配慮

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セクハラ事案においては、被害申告者への配慮が欠かせません。相談窓口を設置するなどプライバシーへの配慮も必要です。加害者と同じ部署に属ずるような事案では、人員配置上の配慮(配置転換、有給休暇)も検討すべきでしょう。

③ 適正な懲戒処分

就業規則に従った厳正な処分を行ってください。

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